H24第1回-伝送交換設備-問1 電気通信主任技術者(伝送)

(1)次の文章は、ドメイン名とDNSの概要について述べたものである。
ドメイン名は【階層】型の構造を持っており、最上位はルートといわれる。ルートから始まり最下位のwwwなどで終わるドメイン名は、一般に、完全装飾ドメイン名といわれる。
ドメイン名は、IPアドレスと同じように、インターネット上で通信相手を識別するものであり、英字や数字などで表現できるため、IPアドレスと比較して分かりやすいが、そのままではインターネット上での通信はできない。
インターネット上で通信するためドメイン名をIPアドレスに変換する際には、DNSへ問い合わせを行う。この問い合わせは、クライアントサーバモデルでモデル化され、一般に、問い合わせを行うクライアントは【リゾルバ】といわれ、問い合わせを受けるサーバは【ネームサーバ】といわれる。
【ネームサーバ】は、一般に、ドメインを管理しているホストやソフトウェアのことを意味しており、サーバが設置されている【階層】のドメインに関する【ゾーン】情報を管理するとともに、一般に、ドメインごとに2台以上で運用され、定期的に通信を行い、【ゾーン】転送することにより、一台が故障しても残っているサーバで運用が継続可能となっている。
(2)次の文章は、アクセス回線の伝送技術について述べたものである。
(ⅰ)アクセス回線の伝送技術の種類と特徴について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【④】である。
①1対のメタリックケーブル回線を用いて双方向伝送する技術には、ISDNの加入者線伝送方式がある。この加入者伝送方式には、ピンポン伝送といわれるTCM方式とハイブリッド回路を用いて上りと下りの信号を分離するエコーキャンセラ方式とがある。
②メタリック回線を用いてISDNより高速な伝送を行う技術には、xDSLがある。xDSLには、HDSL、SDSL、ADSLなどの方式があり、ADSLは上り下りの伝送速度が異なる。
③光ファイバケーブルを用いて双方向伝送する技術には、PONなどがある。PONシステムでは、一般に、ユーザから設備センタへの上りのアクセス方式としてTDMAが用いられている。
④同軸ケーブルと光ファイバケーブルを用いて双方向伝送する技術には、ハイブリッドシステム構成を採るHFCがある。CATVのHFCは、一般に、センタ側の幹線系に既設の【光ファイバケーブル】が用いられ、ユーザ宅に近い分配系に【同軸ケーブル】が用いられる。
(ⅱ)PONシステムの種類と特徴について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【⑤】である。
①PONシステムには、光ファイバによる1心双方向伝送を用いた国際標準規格として、B-PON、G-PON、GE-PONなどといわれる方式がある。
②B-PONにおいて使用される光信号の波長には、ユーザから設備センタへの上り信号用、設備センタからの下り信号用及び下りの映像配信用の割当てがある。
③G-PONは、上り方向と下り方向の伝送速度が非対称の通信及び上り下り方向とも同一速度の通信に使用可能とされている。
④Ethernetフレーム形式のデータを上り方向に伝送する場合、B-PONでは53〔Byte〕のATMセルに分割収容して転送するのに対し、GE-PONでは可変長のフレームで転送する。
⑤GE-PONは、Ethernetフレームのデータ伝送を目的としたPON方式であり、G-PONと比較して、下り信号の最大伝送速度が【ほぼ等しい又は半分】。
GE-PONは1.25Gbit/s
G-PONは1.24Gbit/s、2.48Gbit/s
B-PONとGE-PONはイーサネット(データ)以外にも電話(POTS)が専用線(TDM)なども収容可能
(3)次の文章は、No.7共通線信号方式について述べたものである。
①No.7共通線信号方式を適用している通信網は、一般に、通話回線で構成される網及び信号専用の回線などで構成される信号網からなる。
②信号網を構成する個々の信号専用の回線は信号リンクといわれ、呼処理及び網管理で使用される情報などが転送される。
③信号網では、一つの信号専用の回線を用いて複数の通話回線を制御することから、信号網は、高い信頼性が確保される必要があるため、一般に、複数の面構成が採られている。
④No.7共通線信号方式の信号処理機能を持つノードは、一般に、信号局といわれ、各信号局は一意に識別できる信号局コードが付与される。
⑤発信号局と着信号局との間で信号メッセージが転送される経路は信号ルートといわれ、この経路には、一般に、【STP】といわれる信号中継局及び信号リンクが含まれる。
(ⅱ)No.7共通線信号方式の機能構成などについて述べた次のA~Cの文章は、【④】。
A 共通線信号方式は、交換機相互間の設定、解放などの処理を行う回線対応信号機能に適用されるとともに、交換機とサービス制御ノードなどとの間で回線接続処理と直接対応しない処理を行う非回線対応信号機能にも適用される。
B 共通線信号方式の機能は、メッセージ転送部(MTP)、信号接続制御部(SCCP)、電話ユーザ部(TUP)、ISDNユーザ部(ISUP)、トランザクション機能部(TC)などの機能ブロックから構成される。
C メッセージ転送部は、レベル1の【信号データリンク部】、レベル2の【信号リンク部】及びレベル3の信号網機能部で構成され、信号接続制御部と合わせてOSI参照モデルの【レイヤ3】の機能を実現している。

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