H24第1回-伝送交換設備-問3 電気通信主任技術者(伝送)

(1)次の文章は、工事管理の概要について述べたものである。
工事管理には様々な管理の種類があり、その代表的なものとして、工程管理、品質管理、原価管理及び【安全】管理がある。
工程管理では、一般に、計画行程と対比させて出来高の進捗状況を実施行程として管理する方法が用いられる。縦軸に工事出来高の累計を、横軸に工期(日数)をとったグラフを用いると、実施行程の示す線形は、一般に、【S字曲線】となる。
工程管理曲線:バナナ曲線
品質管理では、一般に、管理の対象となる品質データにはばらつきが存在することから、【統計】的な手法によって企画を満足しているかを推測する方法が用いられる。
原価管理では、一般に、一定の質の材料、一定の設備・労働力など、設定された一定の条件のもとで、可能な最低の原価をもって、最高の結果を確保する概念が用いられる。
【安全管理】では、労働災害を未然に防止するための活動が行われる。
これら四つの管理は、それぞれ独立しているものではない。例えば、品質と工程、品質と原価の間には、それぞれ【相反する】関係があるため、これらをどう調整するかが、工事管理の重要なポイントである。
(2)次の文章は、品質管理などに用いられる新QC七つ道具及び管理図について述べたものである。
(ⅰ)新QC七つ道具について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【④】である。
①連関図法では、一般に、いくつかの問題点とその要因間の因果関係を矢印でつないで表した図を問題解決の手段として活用していく手法を用いている。
②PERTやCPMなどで用いられるアローダイヤグラムとは、一般に、必要な各作業を、その従属関係に従ってネットワークで表した矢線図でいい、アローダイヤグラム法では、日程の計画と管理にアローダイヤグラムを用いている。
③マトリックス図法では、一般に、対になる要素を見つけ出し、これらの要素を行と列に配置し、その交点に各要素間の関連の有無などを表示することで、交点から着想のポイントを得て問題解決を効果的に進めていく方法を用いている。
④目的・目標を達成するために必要な手段や方策を【ツリー】状に展開することにより、問題(事象)の重点を明確にしたり、目的・目標を達成するための最適な手段や方策を追求していく方法を用いている。
(ⅱ)QC七つ道具の一つである管理図のうち、JIS Z 9021で規定するシューハート管理図について述べた次の文章のうち、正しいものは、【③】である。
①シューハート管理図は、ほぼ規則的な間隔で工程からサンプリングされたデータを必要とし、規則的な間隔は、ロットごとなどの量【または】時間が用いられる。
②シューハート管理図には二つの管理限界線があり、一般に、σを統計量の標準偏差とすると、中心線から上側へ【3σ】の距離に上方管理限界線、下側へ【3σ】の距離に下方管理限界線が配置される。
③シューハート管理図には計量値管理図と計数値管理図があり、不適合数を用いて工程を評価するc管理図及びu管理図は、計数値管理図に含まれる。
④シューハート管理図の用途による分類として管理用管理図と解析用管理図があり、一般に、標準値が与えられていない場合の管理図が【解析用管理図】、標準値が与えられている場合の管理図が【管理用管理図】に対応する。
(3)次の文章は、JIS Z 8141:2001生産管理用語について述べたものである。
(ⅰ)保全及び保全活動に関する用語について述べた次の文章のうち、正しいものは、【②】である。
①【設備保全】とは、設備性能を維持するために、設備の劣化防止、劣化測定及び劣化回復の諸機能を担う、日常的又は定期的な計画、点検、検査、調整、整備、修理、取替えなどの諸活動の総称をいう。
②設備検査とは、設備の性能、構造などについて、設備検査規格に基づいて行う検査をいう。
③【事後保全】とは、設備に故障が発見された段階で、その故障を取り除く方式の保全をいう。
④【設備診断】とは、設備の性能、劣化状態などを、設備の運転中に定量的に把握し、その結果を基にして、設備の信頼性、安全性、寿命の予測を行う活動をいう。
⑤【改良保全】とは、故障が起こりにくい設備への改善又は性能向上を目的とした保全活動をいう。
(ⅱ)資材管理などに関する用語について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【⑤】である。
①資材管理とは、所定の品質の資材を必要とするときに必要量だけ適正な価格で調達し、要求元へタイムリーに供給するための管理活動をいう。
②製造委託とは、自社の仕様によって資材及び製品を、外注先へ製造依頼又は加工依頼する活動をいう。
③外注管理とは、生産活動に当たって、内外製の最適分担のもとに、原材料、部品を安定的に外部から調達するための手段の体系をいう。
④外注依存度とは、自社の製品を作るにあたって、原材料及び部品を外部に依存する割合をいう。
⑤【在庫管理】とは、必要な資材を、必要な量を、必要な場所へ供給できるように、各種品目の在庫を好ましい水準に維持するための諸活動をいう。

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