H27第1回-伝送交換設備-問1 電気通信主任技術者(伝送)

(1)次の文章は、IP網におけるルーティングプロトコルの概要について述べたものである。
ルーティングプロトコルは、自律システム(AS)内部のルーティングを行う際に利用されるIGPと、AS間のルーティングを行う際に利用される【EGP】に分けることができる。
OSPFは、一般に、IGPとして利用されるルーティングプロトコルであり、経路選択に用いる指標であるメトリックとしては、【コスト値】を用いている。各ルータはOSPFパケットを利用してルータ自身が保持しているリンク情報を交換し、リンク情報のデータベースである【LSDB】を作成する。その後、各ルータは同一の【LSDB】を基に最適な経路を選択することでルーティングテーブルを作成する。
BGPは、一般に、【EGP】として利用される【パスベクトル】型のルーティングプロトコルであり、現在はバージョン4に当たるBGP-4が利用されている。BGP-4は、CIDRに対応しており、経路情報を集約して交換することが可能である。
(2)次の文章は、光ファイバの特徴について述べたものである。
(ⅰ)光ファイバの構造と種類について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【③】である。
①光ファイバは、光をコアに閉じ込めて伝搬する導波原理で分類すると、全反射によるものとブラッグ反射によるものに大別され、ブラッグ反射を用いた光ファイバには、フォトニックバンドギャップ光ファイバがある。
②全反射形の光ファイバは、一般に、光が伝搬するコアと、その周辺を覆う同心円状のクラッドの屈折率差を利用して光をコアに閉じ込めており、この屈折率差を実現する代表的な手段には、添加剤(ドーパントによる)屈折率制御がある。
③光ファイバを屈折率分布形状で分類すると、コアとクラッドの間で屈折率が階段状に変化する【SI型光ファイバ】と、コアの屈折率分布が緩やかに変化する【GI型光ファイバ】がある。
④全反射型光ファイバの一種である空孔アシスト光ファイバは、クラッドの内部に空孔を設けて伝搬光のクラッドへの広がりを制限することで、汎用の光ファイバと比較して、小さな曲げ半径でも光が漏れにくいといった特徴を有している。
(ⅱ)シングルモード光ファイバの特徴について述べた次の文章のうち、正しいものは、【③】である。
①シングルモード光ファイバは、マルチモード光ファイバと比較して、コア径が【小さい】、コアとクラッドの比屈折率差が【小さい】、伝送損失が小さいなどの特徴を有している。
②【マルチモード光ファイバ】は、【シングルモード光ファイバ】と比較して、光ファイバ相互の接続に高い寸法精度を必要とするが、光ファイバケーブル自体の取扱いが容易であることから、一般に、構内やオフィス内のLANなどで用いられている。
③シングルモード光ファイバのクラッドの屈折率は、コアの屈折率より小さい。また、シングルモード光ファイバには、分散シフトシングルモード光ファイバ、ノンゼロ分散シフトシングルモード光ファイバがある。
④シングルモード光ファイバには、構造分散と材料分散を合わせた【波長分散】が存在する。このうち、材料分散は光ファイバの屈折率が波長により異なるために生ずる分散である。
分散はモード分散と波長分散がある
(3)次の文章は、10ギガビットイーサネットの概要について述べたものである。
(ⅰ)10ギガビットイーサネットのインタフェース種別などについて述べた次の文章のうち、正しいものは、【②】である。
①10ギガビットイーサネットの物理層は、大別するとLAN PHYとWAN PHYに分けられ、10GBASE-Xファミリー【及び10GBASE-Rファミリー】はLANPHYのグループに、10GBASEーWファミリーはWAN PHYのグループに分類することができる。
②10GBASE-LX4は、10GBASE-Xファミリーのうち一つの方式である。10GBASE-LX4の光インタフェースには波長分割多重技術が用いられており、マルチモード及びシングルモードのいずれの光ファイバも使用することができる。
③【10GBASEーWファミリー】では、SDH/SONETを用いた伝送システムとの接続性が考慮されている。そのため、実効ビットレートは、【10GBASE-Rファミリー】の各方式と比較して数〔%〕低くなっている。
④10ギガビットイーサネットでは、使用する光インタフェースの仕様(PMDタイプ)が3種類規定されている。このうち、10GBASE-Eといわれる光インタフェースは、〔1.5〕μm帯の波長を使用するシングルモード光ファイバ専用となっている。
(ⅱ)10ギガビットイーサネットで採用されている符号化方式について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【⑤】である。
①10ギガビットイーサネットでは、8B/10B符号化方式、64B/66B符号化方式などが採用されており、8B/10B符号化方式は、ファイバチャネル規格及び1000BASE-Xでも採用されている。
②10GBASE-Xファミリーでは、8B/10B符号化方式が採用されている。
③10GBASE-Rファミリーでは、64B/66B符号化方式が採用されている。
④64B/66B符号化方式における2〔bit〕のヘッダ情報は、01と10であり、送信するデータの内容によって使い分けが行われている。
⑤64B/66B符号化方式では、【データに対してスクランブルをし、そこにヘッダ情報を付与することで】、0又は1の連続を防いでいる。

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