H28第1回-伝送交換設備-問2 電気通信主任技術者(伝送)

(1)次の文章は、無停電電源装置(UPS)について述べたものである。
UPSは、一般に、整流装置、蓄電池、【インバータ】などにより構成される。【インバータ】は、一般に、高速スイッチング特性を利用した【PWM】制御回路、フィルタなどにより出力電圧波形を正弦波に近似させるとともに、その負荷電流に含まれる高調波成分を低減させている。
UPSのシステム構成には、UPSの保守点検期間中においても、商用電力を負荷装置に直接供給するための【バイパス回路】を具備した構成や、UPSの信頼性の向上を図るために複数のUPSを並列に接続した構成などがある。
ネットワークサーバやパーソナルコンピュータを負荷装置とする定格容量が3〔kVA〕程度の小容量UPSの蓄電池には、メンテナンスフリーのシール鉛蓄電池などが用いられている。この小容量UPSの蓄電池は、停電時などにおけるネットワークサーバなどの停止処理時間、予備電源装置の起動時間などが考慮されており、この蓄電池からの電力供給可能時間としては、一般に、【10分】程度の容量のものが選定されている。
(2)次の文章は、移動通信方式に関する技術について述べたものである。
(ⅰ)移動通信方式におけるセル構成の方法などについて述べた次の文章のうち、誤っているものは、【②】である。
①一つの基地局がカバーするエリアを細胞に見立て、一般に、セルという用語が用いられており、一つのサービスエリアを複数のセルで構成する方式はセルラ方式といわれる。
②周波数利用効率の向上などを目的として、水平面無指向性アンテナの一つの基地局のエリアで複数の扇形セルを形成する構成は、一般に、セクタセル構成といわれる。
セクタセルは指向性、オムニセルは無指向性
③ストリートμセルは、一般に、都市部においてセル半径が約1〔km〕以下で基地局のアンテナ高が近隣の建物より低い場合に構成され、電波が建物に挟まれた道路沿いに伝搬する特徴がある。
④フェムトセルは、一般に、家庭内やオフィス内で用いられ、半径10〔m〕程度の範囲で電波状況が悪い箇所の改善などを目的として構成される。
(ⅱ)移動通信で用いられる無線回線制御方式について述べた次の文章のうち、正しいものは、【②】である。
①各移動機が共通に利用できる無線チャネルを複数用意しておき、呼が発生するたびにその移動機に特定の無線チャネルを割り当てるチャネルアサイン方式は、一般に、【デマンドアサイン方式】といわれる。
②複数の移動機から同時に発信が行われた場合、無線区間の信号の衝突が発生する場合がある。この信号の衝突を軽減して無線通信チャネルを設定する技術にランダムアクセス制御がある。
③セル構造を有する移動通信方式において、移動機が通信中にセル間を移動する場合にセルを切替制御する技術は、一般に、【ハンドオーバ】といわれる。
④移動機がどこにいても、ネットワーク側から着信のための呼出しを行えるようにするために、【基地局】に現在位置を登録することは、一般に、位置登録といわれる。
(3)次の文章は、SDN、クラウドサービスの提供形態などについて述べたものである。
(ⅰ)SDNについて述べた次の文章のうち、誤っているものは、【③】である。
①SDNに関する標準化活動を行っているONFにおいて、SDNは、ネットワーク制御機能とデータ転送機能が分離し、プログラムによりネットワークの制御が実現できる、新しいアプローチのネットワークとされている。
②SDNのアーキテクチャにおいて、アプリケーションレイヤと制御レイヤとの間のAPIは、一般に、ノースバウンドAPIといわれる。
③ONFにおいて、OpenFlowはSDNにおける基盤要素の一つとされており、OpenFlowプロトコルは、一般に、OpenFlowコントローラと【OpenFlowスイッチ】間の通信機能を提供する標準プロトコルとされている。
http://www.infraexpert.com/study/sdn02.html
④OpenFlowスイッチは、一般に、OpenFlowコントローラから受け取った経路情報に基づいて、自身のフローテーブル内にデータ転送処理ルールを追加、修正および削除することが可能である。
(ⅱ)クラウドサービスの提供形態などについて述べた次の文章のうち、正しいものは、【②】である。
①クラウドサービスは、一般に、共有化されたコンピュータリソースについて、クラウド利用者の要求に応じて適宣・適切に配分し、不特定の企業がネットワークを通じて利用する情報処理形態である【パブリッククラウド】とされている。
②クラウド事業者が提供する各種クラウドサービスのうち、PaaSでは、一般に、クラウド事業者がアプリケーションの実行環境をクラウドサービスとしてクラウド利用者に提供している。
③【SaaS】は、一般に、クラウド事業者がアプリケーションをクラウドサービスとしてクラウド利用者に提供し、【PaaS】は、一般に、クラウド事業者がCPU、メモリ、ストレージ、ネットワークなどのハードウェア資産クラウドサービスとしてクラウド利用者に提供している。
④クラウドサービスの利用形態には、インターネットを介して不特定多数のクラウド利用者が利用する【パブリッククラウド】と、特定の企業や組織のクラウド利用者が利用するプライベートクラウドなどがある。

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