H26第1回-伝送交換設備及び設備管理-問3

設備工事安全管理の概要、新QC七つ道具、伝送品質について

(1)設備工事などにおける安全管理の概要について

工事の施工段階における管理には、一般に、工程管理、品質管理、原価管理、安全管理などがある。このうち、安全管理に関わる法律として労働安全衛生法が制定され、その目的として、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、【責任体制の明確化】及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関わる総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と【健康】を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することと規定されている。

労働安全衛生法において、労働災害とは、労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉塵等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり又は死亡することと定義されている。

通信業において、工事現場などにおける安全に係る技術的事項を管理させるため、労働安全衛生法に基づき、常時、50人以上の労働者を使用する事業場などでは、資格を有する【安全管理者】の選任、配置が義務づけられている。

労働災害統計における労働災害発生頻度や程度を表す場合は、一般に、次の指標が用いられている。

(a)度数率:労働災害の発生の頻度を示すもので、【100】万延実労働時間当たりの労働災害による死傷者数をもって表す。

(b)強度率:労働災害の重さの程度を示すもので、1000延実労働時間あたりの延労働損失日数をもって表す。

(2)品質管理などに用いられる新QC七つ道具について

(i)新QC七つ道具の特徴などについて述べた次のA~Cの文章は、(オ)。

A 新QC七つ道具は、一般に、QC七つ道具が数値データの解析を主とする手法が多いのに対して、言語データを図に整理することを主とする手法により構成されている。

B 新QC七つ道具は、一般に、問題解決・課題達成の計画段階において、問題・課題の整理、方策の創出・立案を効果的に行うことができるツールの集合とされている。

C 新QC七つ道具には、連関図法、マトリックス図法、マトリックスデータ解析法、PDPC法、アローダイアグラム法及び【親和図法】がある。

(ⅱ)新QC七つ道具の使用方法などについて述べた次の文章のうち、誤っているものは(カ)である。

<(カ)の解答群>

①複数に絡み合った原因と結果あるいは目的と手段を整理し、図として構造化することで、解決すべき問題・課題の関係を明確化する手法は、一般に、連関図法と言われる。

②事実、意見及び発想を言語データとして捉え、それらの相互の親和性によって集めた図を作ることで、解決すべき問題・課題の所在、形態を明らかにする手法は、一般に、【親和図法】と言われる。

③目的を達成するために必要な手段・方策を系統的に展開し、最適な手段などを求める手法は、一般に、系統図法と言われる。

④二元素の交点に着目して、問題・課題の所在や形態を探索し、問題解決・課題達成への着想を得る手法は、一般に、マトリックス図法と言われる。

⑤プロジェクトを構成している各作業を矢線で表したうえで、作業の順序関係を考慮した図を作成し、プロジェクトを短期間かつ計画通りに完了する方法を検討する手法は、一般に、アローダイアグラム法と言われる。

メモ:
QC(Quality Control):品質管理
QC七つ道具は数値等の定量的データを用いるが、新QC七つ道具は言語等の定性的データによる分析を行う。

QC七つ道具

・パレート図
・グラフ
・チェックシート
・ヒストグラム
・散布図
・管理図
・特性要因図
覚え方”パグチヒ散管特”

新QC七つ道具

・マトリックス・データ図
・連関図
・系統図
・マトリックス図
・親和図
・アローダイアグラム
・PDPC(Process Decision Program Chart):過程決定計画図
覚え方”マ連系マ親アP”

JISQ9024:2003 マネジメントシステムのパフォーマンス改善-継続的改善の手順及び技法の指針
この規格は,組織のマネジメントシステムのパフォーマンスを効果的かつ効率的に改善していくための支援技法として,継続的改善のための手順及び技法に関する指針を定めた規格であり,効果的かつ効率的に問題解決し,課題を達成する方法を提供している。

QC七つ道具の種類
http://tccu.blog.fc2.com/blog-entry-146.html

新QC七つ道具
http://tccu.blog.fc2.com/blog-entry-148.html

(3)デジタル回線網を構成するデジタル伝送路における伝送品質の劣化要因と評価尺度について

(ⅰ)伝送品質の劣化要因などについて述べた次のA~Cの文章は、(キ)である。

A 伝送品質の劣化要因には、ジッタ、スリップ、伝送遅延などがある。

B デジタル伝送路での符号誤り特性の評価尺度のうち、バースト性の符号誤りを表す場合は、【%SES】が用いられる。

C ジッタは、デジタルパルス列の位相が短時間に揺らぐ現象のことであり、再生中継器のタイミング回路、多重化装置の同期回路などで発生する場合がある。

(ⅱ)稼動中のデジタル回線を一定時間測定した結果といして得られる評価尺度と測定値について述べた次の文章のうち、正しいものは(ク)である。

<(ク)の解答群>

①測定時間全体の中で、1秒間の符号誤り率が10-3を超える符号誤り時間率を百分率で表した評価尺度は、一般に、【%SES】と言われる。

②速度時間全体に対する1秒間に1個以上の符号誤りが存在する秒の割合を百分率で表した評価尺度は、一般に、【%ES】と言われる。

③%EFSの測定値は、一般に、100から%ESの測定値を引いた値と等しい。

④%SESの測定値は、一般に、%ESの測定値よりも【小さい】。

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