H25第1回-伝送交換設備-問1

(1)次の文章は、IPTVの概要について述べたものである。
IPTVは、広義にはインターネット上で利用できるストリーミング配信サービスなどを含むが、狭義では通信事業者が管理する専用のIPネットワークである【CDN】上でコンテンツが配信されるIPパケットによる放送サービスといわれている。狭義のIPTVで提供されるサービスには、IP再送信、IP放送(多チャンネルの放送)、【VOD】などがある。
IP放送はIP【マルチキャスト】放送ともいわれ、IP放送サービスでは、管理されて【CDN】を効率的に使って、映像送信サーバからネットワークに対してIPパケットを【マルチキャスト】で常時送出しており、映像信号の転送プロトコルには、一般に、【RTP】が用いられている。
【VOD】サービスでは、受信機からの要求に応じてコンテンツの配信を開始または終了する。配信開始のリクエストが発行されると、コンテンツ配信サーバから受信機に向けて映像コンテンツを乗せたIPパケットがストリーミング配信され、一般に、リアルタイムに配信するための制御プロトコルにはRTSPが、映像コンテンツの転送プロトコルには【RTP】がそれぞれ用いられている。
(2)次の文章は、デジタル伝送技術の概要について述べたものである。
(ⅰ)音声などのアナログ信号のPCM符号化方式について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【④】である。
①時間的に連続なアナログ信号からデジタル信号への変換は、一般に、標本化→量子化→符号化という順序により行われる。
②デジタル加入者線交換機でのPCM符号化では、一般に、4kHz帯域幅の音声信号を標本化周波数8〔kHz〕で標本化し、それぞれの標本値を8〔bit〕で符号化していることから、音声1チャネルは64〔kbit/s〕に符号化される。
③アナログ信号からデジタル信号への変換過程では、ある範囲内の標本値は、同一の符号列で表現される。受信側では、同一の符号列はすべて同一の振幅として復号されるため、送信側で入力されたアナログ信号うと受信側で出力されたアナログ信号では原理的に誤差が発生する。この誤差に基づく雑音は量子化雑音といわれる。
④1標本当たりの符号化ディジット数を1〔bit〕増加することにより、信号対量子化雑音比は、【6.02】〔db〕改善される。
(ⅱ)音声符号化技術及び画像符号化技術について述べた次の文章のうち、正しいものは、【③】である。
 ①適応予測と適応量子化を使用する差分PCM方式は、【ADPCM方式】といわれ、64〔kbit/s〕で伝送する帯域を2回線として使用することができる。
②送信側で音声を分析し、有声/無声判定、ピッチなどの情報を伝送し、受信側でそれらの情報を用いて音声を合成する分析合成系の音声符号化方式は、一般に、【分析合成符号化(ボコーダー)】といわれる。
③画像符号化の技術には予測符号化、変換符号化などがあり、画像符号化の手法の一つには同一フレーム内の画像信号の空間的相関を利用するフレーム内符号化がある。
④MPEG-1は、1.5〔Mbit/s〕以下のビットレートで、CD-ROMなどの蓄積メディアに【動画】を保存するための符号化方式である。
(3)次の文章は、TTC標準JT-Y2011などで規定されているNGNアーキテクチャについて述べたものである。
(ⅰ)NGNアーキテクチャにおける基本的機能分配について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【④】である。
①NGNのアーキテクチャにおいて、トランスポート機能はNGNトランスポートストラタムに属し、アプリケーションに関連するサービス機能はNGNサービスストラタムに属する。
②NGNトランスポートストラタムでは、データを転送するユーザ機能と、端末間においてそのようなデータを転送するためのトランスポートリソースの制御と管理を行う機能を提供している。
③NGNサービスストラタムは、端末間のアプリケーションと音声、データ、映像アプリケーションなどと関連するサービスの操作に関与するものとされている。
④NGNではサービスとトランスポートの分離を基本としていることから、【CO-CS(コネクション型回線交換)、CO-PS(コネクション型パケット交換)、CLPS(コネクションレス型のパケット交換)等の1~3レイヤ層】はNGNトランスポートストラタムで提供され、【音声電話】、電子メール及び映像サービスなどはNGNサービスストラタムで提供されるなどのサービス別に分離がされている。
(ⅱ)NGNアーキテクチャにおけるインタフェースについて述べた次の文章のうち、正しいものは、【③】である。
①NGNアーキテクチャにおけるインタフェースは、ANI、UNI、NNIの【3つ】が規定されている。
②ANIは、上位のアプリケーションがNGNに依存【しないように】開発されたアプリケーションを用いたサービスが従属性をもって提供できるような仲介機能を提供するインタフェースである。
③UNIは、ユーザ端末、ホームネットワークなどのエンドユーザ機能とNGNを接続するためのインタフェースである。
④NNIは、【異なる】タイプのネットワークを相互に接続するためのインタフェースであることから、ISDNのような異なるタイプのネットワークはNGNに接続【できる】。
⑤ANIは、アプリケーションと【NGNトランスポートストラタム】との間で、情報交換を直接行うためのインタフェースである。

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