H25第2回-伝送交換設備及び設備管理-問1

電話の番号計画、映像信号の圧縮符号技術、IP網におけるルーティング技術について

(1)電話の番号計画の概要について

公衆電気通信網において、電気通信番号は、端末設備の識別、任意の端末への接続などに用いられており、端末などへの電気通信番号の付与規則は、一般に、番号計画と言われる。 また、通話先の端末などに付与されている電気通信番号は、一般に、電話番号と言われ、数字を組み合わせた番号である。 国際公衆電気通信番号計画はITU-T勧告E.164で規定されており、国際電話番号計画は、一般に【国番号】、国内宛先コード及び加入者番号から構成される最大【15】桁の番号である。 日本国内の番号は総務省により定められている。固定電話の番号計画は、一般に、先頭の数字が【国内プレフィックス】と言われる0から始まり、市外局番、市内局番及び加入者番号で構成されている。 また、A及びBを0以外の番号としたとき、一般に、0A0で始まる電話番号は携帯番号、PHPなどに用いられており、0AB0で始まる電話番号は、一部地域の市外局番として使用されているほか、通信事業者が提供する【高度な電話】サービスに用いられている。

(2)映像信号の圧縮符号化技術などについて

(ⅰ)映像信号の圧縮符号化技術について述べた次の文章のうち、正しいものは、□である。 

・映像信号の圧縮符号化では、映像信号の情報をできるだけ少ないデジタルの情報に置き換えており、圧縮符号化の手順は、一般に、【予測符号化、変換符号化、量子化、符号割当ての順】で行われる。

・量子化では、入力された信号値を離散的な代表値で近似するため、量子化雑音が生じる。量子化のステップの幅を【小さく】されば、一般に量子化雑音を小さくすることができる。

・映像は、一般に、時間的に連続する静止画像のフレームを並べたものとみなすことができる。このため、予測符号化として用いられるフレーム間符号化では、一般に、ある画素の予測誤差を求めるために他のフレームの画素を利用している。

・符号割当てには、一般に、可変長符号が用いられ、発生頻度の高い信号値には【短い】符号を割当て、発生頻度の低い信号値には【長い】符号を割り当てることにより、情報量を削減している。

(ⅱ)映像の圧縮符号化の国際標準規格などについて述べた次の文章のうち、誤っているものは□である。

・ITU-T勧告H.261は、テレビ会議、テレビ電話などの通信を対象とした規格であり、走査線やフレーム数が異なるテレビジョンの信号形式(NTSC、PALなど)に依存しないよう、いったん共通の形式に変換した後に符号化する手順を採用している。

・MPEG-1は、コンパクトディスクなどの蓄積メディアを対象とした1.5[Mbit/s]程度の伝送速度の動画像符号化方式であり、【プログレッシブ信号のみに対応しており、インターレース信号には対応していない】。

・MPEG-2は、地上デジタルテレビ放送、DVDなどで利用されており、HDTV相当の解像度の映像信号などの圧縮符号化に対応している。

・MPEG-4AVC/H.264は、ワンセグ放送、スマートフォンなどで利用されており、圧縮符号化効率は、一般に、MPEG-2の2倍以上とされている。

(3)IP網におけるルーティング技術について

(ⅰ)ルーティングテーブルの生成について述べた文章のうち、正しいものは、□である。

・【ダイナミックルーティング】では、ルーティングテーブルを隣接するルータ間で交換する。そのため、ネットワークの故障などによりネクストホップにパケットが到達できない場合には、ルーティングプロトコルを用いて迂回経路を設定することができる。

・ダイナミックルーティングでは、ルータ間で交換した経路情報をもとにしてルーティングテーブルを生成する。その為、ネットワークトポロジに変化があった場合には、自動的にルーティングテーブルを更新することができる。

・【リンクステート方式】では、隣接するルータの経路情報とルータ自身が保有する経路情報をもとにして、最短の物理的な経路長や帯域幅を考慮して目的地まで到着できるような経路を計算し、ルーティングテーブルを生成する。 メモ ルータ情報を隣接ルータに教えること:アドバタイズ アドバタイズの共有にかかる時間:コンバージェンス時間 ルートを計算する際に使用するアルゴリズム:SPF(Syortest Path First)

・【ディスタンスベクタ方式】では、一般に、すべてのルータが常に同一のデータベースを保持しており、各ルータが個々に最短パスツリーを作りルーティングテーブルを生成する。ディスタンスベクタ方式は、経路情報に変更があると、リンクステート方式と比較して、処理が複雑であるため経路が収束するまでの時間が長くなることが多く、経路がループになってしまうこともある。

(ⅱ)ルーティングプロトコルの種類について述べた次の文章のうち、誤っているものは、□である。

・自律システム(AS)は、一般に、統一されたポリシーで運用されるネットワークの集まりとされており、IGPはAS内部のルーティングで用いられるプロトコルである。

・RIPは、IGPとして用いられるディスタンスベクタ型のルーティングプロトコルである。RIPにはRIPv1及びRIPv2の規格があり、RIPv2では認証機能などが追加されている。

・OSPFはIGPとして用いられる【リンクステート型】のルーティングプロトコルである。OSPFでは、メトリックとしてリンクの優先度を表すコストと言われる値を用いている。

・BGPは、EGPとして用いられるルーティングプロトコルではあるが、ASの内部における外部経路情報の交換などでも用いられる。BGPでは、パス属性を利用して最適な経路を選択する。

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