H28第2回-データ通信-問3

(1)次の文章は、OTN(Optical Transport Network)のフレーム組立て手順などについて述べたものである。
OTNは、OChといわれる【論理的】な通信路(パス)の設定を、光スイッチを用いて【波長】単位で行うため、伝送システムの大容量化に柔軟に対応できる。
OChのフレームは、クライアント信号がマッピングされるペイロードと、OCh保守及び運用・管理情報を取り扱うオーバヘッドとにより構成される。また、イーサネット、IP/PPP、ファイバチャネル等の多様なクライアント信号を、SDH/SONETやOTNのペイロードにマッピングする方式として、【GFP】がITU-Tで標準化されている。
【GFP】のフレームは、4〔byte〕のコアヘッダと4~64,535〔byte〕の可変長のペイロード領域により構成される。このペイロード領域は、上位レイヤのプロトコル種別やデータリンク層に関連するヘッダ情報を含む4~64〔Byte〕のペイロードヘッダと、ユーザ情報を格納するペイロードなどにより構成される。
【GFP】フレームは可変長であり、OPUk(Optical Channel Payload Unit-k)ペイロードに順次マッピングされ、クライアント信号がない場合には、【アイドル】フレームが挿入されるため、この方式によるデータ伝送は、連続的なビットストリームとして扱われる。
(2)G-PON及びGE-PONの特徴などについて述べた次のA~Cの文章は、【Bのみ正しい】。
A G-PONは、ギガビットクラスの伝送速度を提供する光アクセスネットワークであり、イーサネット、TDM等の様々な伝送方式のデータを【GEM】でカプセル化してIPパケットに収容する方式である。
メモ:https://sites.google.com/site/shimesabanote2/cte_study/h25-2/h25-2-3http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20051128/225266/?rt=nocnt
B GE-PONでは、1〔Gbit/s〕の上り帯域を複数のONUで共有しており、OLTが、各ONUからの送信要求情報を受け、各ONUに対し、上りトラヒックに応じて柔軟に帯域を割り当てる方法はDBAといわれる。
C GE-PONでは、下り方向の伝送において、全ONUに同一の信号が放送形式で到達する。各ONUは受信したフレームのプリアンブル部分に付加された【LLID】といわれる識別子を用いて、自分宛のフレームを識別する。
(3)IEEE802.1ahで標準化されたプロバイダバックボーンブリッジ(PBB)について述べた次の文章のうち、正しいものは、【④】である。
①一つの広域イーサネット網で扱うことができるユーザ数は、【24bitのサービスインスタンス識別子の導入により、1000万以上のお客様の収容が可能となる】。
メモ:http://www.ntt.co.jp/journal/0604/files/jn200604012.pdf
②ユーザ収容スイッチは、ユーザから送られてくるイーサネットフレームに対して、MACヘッダをイーサネットフレームの先頭に付与し【Mac-in-Mac】といわれるカプセル化を行った後、中継網へ転送する。
③中継スイッチはユーザ端末に付与されているMACアドレスを参照【しない】ため、接続端末数が多くなると中継スイッチが扱うMACアドレスは【変わらず】、中継スイッチのMACアドレスを管理する負荷【が軽減される】。
④発信側のユーザ収容スイッチが転送経路を計算して中継宛先MACアドレスを特定のマルチキャストMACアドレスとすることにより、中継スイッチは必要な経路だけにフレームを転送することができ、ユーザVLANごとのマルチキャストプルーニングが可能となる。
(4)無線LANの規格について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【①】である。
①無線LANで用いられているOFDMの一次変調方式として、IEEE802.11nの規格では【64】QAMまで使用されているが、IEEE802.11acの規格では【256】QAMまで拡張されている。
②無線LANに割り当てられている5GHz帯の周波数帯には、IEEE802.11aで規定されているW52、W53及びW56があり、W52及びW53は屋内での使用に限定され、W56は屋内外での使用が可能である。
③無線LAN機器の暗号化設定を容易にするため、WI-FIアライアンスによってWPS(Wi-Fi Protected Setup)規格が策定されており、異なるメーカの製品であってもWPS対応機器同士であれば同一の無線LANセキュリティの設定手順を用いることが可能である。
④IEEE802.11a/b/gのいずれの規格においても、PLCPプリアンブル、PLCPヘッダ及びPSDU(PLCP Service Data Unit)から成るフレーム構造が規定されている。
(5)CATVにおけるアクセスネットワークなどについて述べた次の文章のうち、正しいものは、【①】である。
①HFCシステムを用いたアクセスネットワークは、一般に、光ファイバを用いて同軸ケーブル区間を短くすることにより中継機数の削減と広帯域化を図るとともに、サービスエリアを小さいセルに分割して接続端末数を少なくすることにより流合雑音の低減を図っている。
②HFCシステムを用いたアクセスネットワークにおいて、CATVセンタからユーザ宅へ送信される下り信号には、一般に、上り信号と比較して【高い】周波数帯が割り当てられている。
③光ファイバを用いて映像配信を行う【FM一括変換伝送】方式では、符号分割多重されたケーブルテレビ信号で変調した光信号を用いて多チャネル映像伝送を行っている。
④周波数分割多重された複数の映像信号を強度変調方式により光信号に変換する場合、【外部】変調方式を用いると波長チャーピングによる光スペクトルの広がりを抑えることができるため、【直接】変調方式と比較して、波長分散の影響を低減することができる。

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