H28第2回-データ通信-問1

(1)次の文章は、CPUの命令実行制御の概要について述べたものである。


CUPの処理は、あらかじめプログラムによって実行され、プログラムの命令は、一般に、命令フェッチ、命令デコード、【オペランドフェッチ】、実行及び結果格納により実行される。
命令フェッチでは、【プログラムカウンタ】の内容に従って命令レジスタに命令を読み出す。
命令デコードでは、命令レジスタに入った命令の命令部をデコーダに入力し、命令のデコードを行う。その結果に基づき、それ以降のステップでの実行内容が定まる。
【オペランドフェッチ】と実行では、デコードが終了した命令の内容に基づき、演算回路などを使用して必要な演算を実行する。演算の対象となるデータは命令によって指定され、レジスタ指定の場合は指定されたレジスタから、メモリ内のデータの場合は、【有効アドレス】で指定された場所からデータを読み出す。演算した結果は、必要に応じて【アキュムレータ】又は一時レジスタで保持する。
演算結果の格納では、命令の指示に従い、CPU内部のレジスタ又は指定されたメモリアドレスに格納される。

(2)Windows OSを用いるパーソナルコンピュータのチップセットについて述べた次の文章のうち、誤っているものは、【①】である。

①チップセットには、ノースブリッジとサウスブリッジの二つのチップに分かれているものがあり、このうち【ノースブリッジ】はCPUとメインメモリやグラフィックボードとの橋渡しの機能を持つ。
②チップセットは、一般に、処理速度が異なるデバイスやユニット間を相互接続することができる。
③CPUとメモリの間の転送速度向上を目的として、メモリコントローラはチップセットに置かず、CPU内部に搭載される場合がある。
④割込みコントローラはIRQを管理し、DMAコントローラはCPUに代わってバスを占有してデータ転送を行う。

(3)組込みシステムにおけるデバイスドライバについて述べた次の文章のうち、誤っているものは、【④】である。

①デバイスドライバには、ハードウェアを直接制御する処理をアプリケーションから分離する役割があるため、ハードウェアが変更された場合でも、アプリケーションの変更を最小限にとどめることができる。
②デバイスドライバは、一般に、タスクコンテキスト部と割込みハンドラ部から構成される。このうちタスクコンテキスト部では、アプリケーションから受け取った処理依頼に従って、ハードウェアに対し入出力処理を行う。
③一つのデバイスを複数のアプリケーションが共有する場合、それぞれのアプリケーションが順番にそのデバイスを利用できるように処理要求を調整する機能は、シリアライズといわれる。デバイスドライバの実行順序制御機能において、処理依頼のシリアライズが実行される。
④デバイスドライバの処理終了時にアプリケーションに制御を戻す方式の一つである非同期型I/Oでは、デバイスドライバの処理実行中にアプリケーションのタスクは並行して処理を実行することが【できる】。

(4)組込みシステムの開発環境について述べた次のA~Cの文章は、【ACが正しい】。

A 組込みシステムのデバッグで用いられるICEは、一般に、組込み用のマイクロプロセッサと同じハードウェアの動作をする疑似プロセッサを搭載している。
B 組込みシステムのデバッグには、組込み用のマイクロプロセッサを取り外して【ICE】につなぐ方法のほか、組込み用のマイクロプロセッサにエミュレーション回路が搭載されている場合には専用の【JTAGポート】を経由してデバッグする方法がある。
C 組込みシステムの場合、実際にプログラムを動作させるハードウェアとは別のパーソナルコンピュータなどの開発環境で開発を実施する。このように、実行環境と開発環境が異なる開発は、一般に、クロス開発といわれる。

(5)サーバ仮想化方式について述べた次の文章のうち、正しいものは、【④】である。

①ホストOS型は、【ホストOS】に仮想マシンモニタをインストールし、この仮想マシンモニタ上でアプリケーションを動作させる。
②ホストOS型では、ゲストOSがハードウェアにアクセスする際のオーバヘッドは、ハイパーバイザ型と比較して、一般に、【大きくなる】。
③マイクロカーネルハイパーバイザ型では、ハイパーバイザは仮想化環境を提供する最低限の機能しか持たず、ハードウェアにアクセスするためのデバイスドライバは、【管理OS】のものを使用する。
④モノリシックハイパーバイザ型では、ハイパーバイザ自身が物理デバイスにアクセスするためのデバイスドライバを持つため、新しいハードウェアに対応するには、一般に、ハイパーバイザのデバイスドライバを更新する必要がある。

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