H27第2回-データ通信-問5

(1)IEEE802.11無線LANについて

IEEE802.11無線LANのネットワーク形態には、各端末が【ピア・ツー・ピア】接続を行う方法とアクセスポイントが端末間の通信を中継する方法がある。
前者の方式により構成されたネットワークは、一般に、アドホックネットワークといわれ、それぞれの端末は互いに電波の届く範囲での通信に限られる。


また、後者の方法により構成されたネットワークは、一般に、【インフラストラクチャ】ネットワークといわれ、各端末とアクセスポイントとの間を接続することでアクセスポイントが端末間の通信を中継することができるため、端末間で直接電波が届かない場合でもネットワークが構成できる。


IEEE802.11無線LANのアクセス手順は、効率的に帯域利用率を高めるため、有線のイーサネットと同様の【CSMA】手順を用いている。しかし、無線LANは有線のイーサネットと異なり、衝突の検出が困難であることからデータの送出前に衝突を回避するCA手順を用いている。


また、無線LANではパーティションや柱などの障害物により直接電波が届かない端末が存在し、キャリアセンスが正しく機能しないことがある。これは、一般に、隠れ端末問題といわれ、IEEE802.11無線LANでは、【RTS/CTS】を用いてこの問題を解決している。

(2)IEEE802.3イーサネットのオートネゴシエーション機能について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【③】である。

①1000BASE-Xのオートネゴシエーションは、ファストイーサネットの場合と同様に、リンク確率に先立ち各装置がサポートする通信モードの情報を交換することによって行われる。


②オートネゴシエーションにおける通信モードの情報交換は、ファストイーサネットではFLPバースト信号で、1000BASE-Xでは8B/10B符号オーダセットにより行われる。


③1000BASE-Xのオートネゴシエーションでは、通信速度、【全二重モード】及びフロー制御の使用・不使用の自動設定が行われる。


④UTPケーブルを使用する1000BASE-Tは、ファストイーサネットと同じオートネゴシエーションを使用する。

(3)10ギガビットイーサネットの特徴などについて述べた次の文章のうち、誤っているものは、【①】である。

①10ギガビットイーサネットのLAN PHYには、【64B/66B】符号化方式を用いた10GBASE-Rファミリー、【8B/10B】符号化方式を用いた10GBASE-Xファミリーがある。


②10ギガビットイーサネットのWAN PHYには、WISといわれるWANインタフェース副層を使用した10GBASE-Wファミリーがある。


③10GBASE-Wファミリーは、64B/66B符号化された送信信号をSONET/SDH互換フォーマットに変換して送受信を行う。


④レイヤ3のIPパケットをレイヤ2のPPPを用いてSONET/SDH上でPPP通信を行う技術は、一般に、POS(PPP Over SONET/SDH)といわれる。

(4)遠隔ログインのためのプロトコルについて述べた次のA~Cの文章は、【BCが正しい】。

A Telnetは、ログイン時の認証は暗号化されて【おらず】、ログイン後の通信内容は暗号化されていないため、利用にはセキュリティ面での注意が必要である。

B ログイン時には、一般に、ログイン名とパスワードが要求されるが、rloginは、パスワードなしでもログインを可能とすることができる。

C SSHは、TCP/IPのソケットを用いて通信を行い、認証時のパスワードやログイン後の通信内容も暗号化されるため、Telnetやrloginと比較して、セキュリティ面で優れている。

(5)パーソナルコンピュータ(PC)のデータ保護等について述べた次のA~Cの文章は、【Cのみ正しい】。

A 物理的なセキュリティ対策として、PCそのものの盗難を防止するために利用される【セキュリティワイヤー】や、のぞき見を防止するために利用されるプライバシーフィルタがある。

B 認証により起動を行うBIOSのパワーオンパスワードをかけていれば、そのパスワードが漏洩しない限り、ハードディスクを取り出して別のPCでそのハードディスクの内容を読み出そうとする場合でも読み出すことは【できる】。

C OSが提供する暗号化機能は、OSに暗号化・復号のための鍵情報が組み込まれていて、システムが鍵情報の管理を行うため簡単に利用できるが、鍵情報へのアクセスはOSを経由して行うので、OSに正当なユーザとして認証されれば暗号化された情報にもアクセスが可能である。

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