H２６第２回－伝送交換設備及び設備管理－問３

電気通信設備工事などにおける工事現場での施工管理、アローダイアグラム、JIS Q 9000品質マネジメントについて

建設工事では、一般に、一品受注生産であるため予め品質を確認できないこと、下請業者を含めた多数の者による様々な工程などを総合的にマネジメントする必要があることなどから、元請となる建設業者の施工管理能力が特に重要となる。

そこで、電気通信設備工事をはじめとする建設工事の適正な施工を確保するため、工事現場における施工の技術上の管理を司る者として、【主任技術者】又は監理技術者（以下、監理技術者等と記す。）の設置を、建設業法では求めている。

監理技術者等の職務としては、施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び施工に従事する者に対する【技術上の指導監督】などがある。

管理技術者等の設置については、工事内容や規模などによって条件が付けられている。

発注者から直接請け負った建設工事で、かつ、【受注した請負代金が一定の額】以上となる場合には、【主任技術者】ではなく、管理技術者を置かなければならない。

また、【公共性のある】工作物に関する重要な建設工事の場合には、工事現場ごとに専任の管理技術者等を置かなければならない。

ここで専任とは、他の工事現場に係る職務を兼務せず、常時継続的に当該工事現場に係る職務のみに従事していることを言う。

（ⅰ）アローダイアグラムで用いられる用語について述べた次のＡ～Ｃの文章は、【Ａ、Ｂのみ正しい】。

Ａ　アローダイアグラムは、各作業を矢線で表し、作業の従属関係に従って矢線を結合点で相互に結び、アローダイアグラムの出発点を起点として日程の計算などを行うものであり、日程管理などに利用される。

Ｂ　アローダイアグラムでは、その作業を最も早く始めることができる最早開始時刻（日数）、その作業を最も早く終了する最早終了時刻（日数）、その作業を遅くとも終了しておかなければならない最遅開始時刻（日数）と言われる作業日程などが用いられる。

Ｃ　クリティカルパスとは、アローダイアグラム上の出発点から最終点に至るまでの【最長経路】で、日程管理上の重点となる作業の連なりを言う。

（ⅱ）表は、あるプロジェクトを推進するにあたり、構成する全ての作業名、所要時間及び各作業の前に完了していなければならない先行作業を示したものである。このプロジェクトの着手から終了までの最短時間は、【１６】日である。

メモ：

※JIS Q 9000:2006からJIS Q 9000:2015に改正されているため、【】内は改正版による解説を記載します。

（ⅰ）品質及びマネジメントに関する用語について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【⑤】である。

①品質とは、本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度を言う。

②要求事項とは、明示されている、通常、暗黙のうちに了解されている若しくは義務として要求されている、ニーズ又は期待を言う。

③品質方針とは、最高位で組織を指揮し、管理する個人又はグループによって正式に表明された、品質に関する組織の全体的な意図及び方向付けを言う。

④品質マネジメントとは、品質に関して組織を指揮し、管理するための調整された活動を言う。

⑤品質保証とは、品質要求事項が【満たされるという確信を与える】ことに焦点を合わせた品質マネジメントの一部を言う。

（ⅱ）品質マネジメントシステムで用いられる文書の種類などについて述べた次の文章のうち、正しいものは【④】である。

①【個々の対象に対して、どの手順及びどの関連する資源を、いつ誰によって適用するかについての仕様書】を、品質計画書と言う。

②【組織の品質マネジメントシステムについての仕様書】を、品質マニュアルと言う。

③【要求事項を記述した文章】は仕様書と言う。

④【達成した結果を記述した、または実施した活動の証拠を提供する文書は記録と言う。】（※2015版に修正）

⑤活動及びプロセスを首尾一貫して実行する方法に関する情報を提供する文書には、文書化された手順、作業指示書は含まれるが、図面は【含まれる】。