H27第1回-伝送交換設備-問3

(1)次の文章は、IP電話網における音声品質の概要について述べたものである。
IP電話網には、デジタル化された音声信号を通信プロトコルに従ってカプセル化するために生ずるパケット化遅延、IP電話網内での伝送遅延、パケットの到着間隔のずれによる【ジッタ】、ルータにおけるバッファのオーバフローによるパケット損失などの音声品質の劣化要因がある。
IP電話網では、これらの要因による音声品質の劣化の低減を図るため、優先制御、【フラグメント化】などを行い、伝送遅延時間の短縮を実現している。
ルータによる優先制御は、ルータが受け取った音声パケットを、ほかのパケットよりも優先的に送信する機能である。また、【フラグメント化】は、フレーム長が長いパケットを分割して、指定した長さ以下にする機能である。
0AB~Jの電気通信番号を用いるIP電話用設備に対しては、アナログ電話と同等のサービス提供を行う者であることを前提に、事業用電気通信設備規則で品質などに関する複数の技術基準が規定されている。
このうち【ネットワーク】品質として、UNI-UNI間及びUNI-NNI間の平均遅延、平均遅延の揺らぎ及びパケット損失率が設けられており、そのUNI-UNI間の平均遅延の値は【70】〔㎳〕以下とされている。
(2)次の文章は、施工管理の概要について述べたものである。
(ⅰ)工事の施工段階における施工管理について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【③】である。
①施工管理の目標は、一般に、施工をするための生産手段を合理的に組み合わせて、早く・良く・安く・安全に施工することとされている。
②施工管理の管理機能の一つである工程管理とは、一般に、決められた工期内に、定められた品質を確保し経済的で、かつ安全に工事が施工できるように、工程を計画し管理することとされている。
③工程管理で利用される工程表のうち横線式工程表は、バーチャートともいわれ、縦軸に施工数量又は進捗百分率を、横軸に日数をとり、部分工事ごとの工程を【棒状】で表すものとされている。
④施工管理の手順は、一般に、Plan、Do、Check及びActを反復進行するものとされている。
(ⅱ)施工管理における、工程・品質・コストの関係などについて述べた次の文章のうち、正しいものは、【④】である。
①工程とコストの関係は、一般に、作業を速めて工程数量を多くすると、単位工程数量当たりのコストは次第に安くなることから、【さらに工程を速めて突貫作業をすると逆にコストは高くなる。】
②品質とコストの関係には、一般に、採算コストというポイントがあり、そのポイントを超えて品質を良くしようとするとコストは高くなり、越えないで品質を下回っても同様に高くなる傾向がある。
採算コストではなく品質コスト?
③施工管理において、収入に相当する施行出来高と支出に相当する工事総費用との関係及び工事総費用における固定費と変動費との関係により、損益分岐点を求めることができ、施行出来高を、損益がゼロのときの施行出来高と比較して、【上回るよう】維持することで採算のとれる状態にあることがわかる。
④工程・品質・コストのそれぞれ二つの間には、相反する性質と相乗する性質があり、それらの調整をとりながら、品質と工期を守り、できるだけ安く、かつ安全に施工できるように計画し管理していくことが施工管理の要点である。
(3)次の文章は、JIS Z 8101-2:1999に規定される統計的品質管理用語について述べたものである。
(ⅰ)サンプリング用語について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【④】である。
①母集団の大きさとは、母集団に含まれるサンプリング単位の数をいう。
②復元サンプリングとは、一つのサンプリング単位が取られ、測定され、次のサンプリング単位が取られる前に母集団に戻されるサンプリングをいう。
③系統サンプリングとは、母集団中のサンプリング単位が、生産順のような何らかの順序で並んでいるとき、一定の間隔でサンプリング単位を取ることをいう。
④【非復元サンプリング】とは、必要な数のサンプリング単位が母集団から一度にとられるサンプリング、又は母集団に戻すことなく次々ととられるサンプリングをいう。
⑤抜取り比とは、サンプルの大きさと、サンプルが取られた母集団又は副母集団の大きさとの比をいう。
(ⅱ)抜取検査用語について述べた次の文章のうち、正しいものは、【⑤】である。
①【合格判定個数】とは、計数値抜取検査において、所定の抜取検査方式において合格を許可するサンプル中に発見される不適合アイテムまたは不適合数の最大値をいう。
②【合否判定値】とは、計量値抜取検査において、合格基準を満足するサンプルの平均値の限界値をいう。
③【スキップロット抜取検査】とは、定められた数のロットが、規定された基準を満たした場合に適用する、連続するロットのうちいくつかのものは検査なしに合格とする抜取検査をいう。
④【OC曲線の傾き】とは、所定の抜取検査方式のOC曲線において、生産者危険点から消費者危険点を結ぶ直線の傾きをいう。
⑤平均検査個数とは、所定の抜取検査方式を使用しているときに、ロットの合格・不合格の判定に到達するまでに検査するアイテムのロット当たりの平均個数をいう。

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