新QC七つ道具の種類

〇マトリックス・データ解析

行列に配置した数値データを解析する、多変量解析の一種であり、主成分分析とも呼ばれることがある。
大量にある数値データを解析して、項目を集約し、評価項目間の差を明確に表すために使用する。

解析手順
1)データをマトリックスに整理する。
2)平均値及び標準偏差を計算する。
3)マトリックス間の相関係数を計算する。
4)固有値を計算する。
5)固有ベクトル及び因子負荷量を計算する。
6)主成分得点の計算をする。
7)主成分得点の散布状態をグラフにする。

〇連関図

複雑な原因の絡み合う問題について、その因果関係を論理的につないだ図である。
問題の因果関係を解明し、解決の糸口を見いだすことに使用する。
連関図を使用するには、原因を抽出し、更に、その原因を抽出することを繰り返し、因果関係を一覧できるように図示する。

作成手順

1)問題を設定し、用紙の中央に記載する。
2)問題の一次原因を設定し、問題の周辺に配置する。
3)二次原因、三次原因と順次原因を掘り下げて、因果関係を矢印で結ぶ。
4)因果関係を確認し、原因の追加、修正をする。
5)主要原因を絞り込み、色付けなどによって識別する。
6)連関図より読み取った結論を記載する。
7)必要事項を記入する(目的、作成日、作成場所、作成者など)。

〇系統図

目的を設定し、この目的に到達する手法を系統的に展開した図である。
問題に影響している要因間の関係を整理し、目的を果たす最適手段を系統的に追求するために使用する。

作成手順

1)問題を設定して、、用紙の左端中央に書く。
2)問題を解決するための第一次手段をその右に列挙する。
3)更に、第一次手段を第二次目的として、第二次手段をその右に列挙する。
4)以下多段階に展開し、具体的な実行可能手段を得るまで実施する。
5)上位目的と手段との関係を見直し、その関係及び抜け落ちの有無を確認する。
6)必要事項を記入する(目的、作成日、作成場所、作成者など)。

〇マトリックス図

行に属する要素と列に属する要素によって二元的配置にした図である。
多元的思考によって問題点を明確にしていくために使用する。
特に二元的配置の中から、問題の所在又は形態を探索したり、二元的関係の中から問題解決への着想を得たりする。
また、要因と結果、要因とその他の要因など、複数間の関係を整理するために使用する。

作成手順

1)課題を設定する。
2)検討すべき事象を決めて、行・列に配置する要素を決める。
3)マトリックスの型を選ぶ。
4)各軸に配置する要素を決め、各要素を分解して記入する。
5)各要素項目間の関連の有無・度合いを交点に表示する。
6)着眼点を得る。
7)得られた着眼点から結論を得る。
8)必要事項を記入する(目的、作成日、作成場所、作成者など)。

メモ:
マトリックス・データ解析は数値から散布状のグラフを作成し、マトックスは言語データを使用し、重要と思われる交点に〇や◎などを割り付ける。

〇親和図

混沌とした問題について、事実、意見、発想を言語データで捉え、それらの相互の親和性によって統合して解決すべき問題を明確に表した図である。

問題が錯綜していて、いかに取り組むかについて混乱している場合に、多数の事実及び発想などの項目間の類似性を整理し、あるべき姿及び問題の構造を明らかにする際に用いられる。

この技法の使用にあたり、個々の発想又は項目の類似したものを統合し、最も要約又は統合した共通の表題の下にまとめていく。

この方法では、多数の項目を、少数の関連グループに整理することができる。

作成手順

1)課題を設定する。
2)原始情報を収集する。
3)原始情報を吟味して言語データ化する。
4)類似した二つの言語データを新たな言語データに作りかえる。
5)類似性のない言語データはそのままにしておく。
6)さらに、4)、5)の手順を類似の言語データがなくなるまで繰り返す。
7)言語データを作り変えた過程を図で表す。
8)相互の関係を矢印で結ぶ。
9)必要事項を記入する(目的、作成日、作成場所、作成者など)。

〇アローダイアグラム

日程計画を表すために矢線を用いた図である。
PERT(Program Evaluation and Review Technique)と呼ばれる日程計画及び管理の技法で使用され、特定の計画を進めていくために必要な作業の関連をネットワークで表現し、最適な日程計画をたて効率よく進捗を管理するために使用される。
具体的には、目標を達成する手段の実行手順、所要時間(工程、工数)及びその短縮の方策を検討する際に使用する。
日程管理に利用する場合、グラフ(ガンチャート)と併用して使用することがある。

作成手順

1)課題を設定する。
2)必要な作業を列挙する。
3)作業名をカードに記入する。
4)作業の順序関係をつけて、カードを左から右に配置する。
5)結合点を書き、矢印を引き、結合点の番号を記入する。
6)各作業の所要日程(工期、工数)を見積もる。
7)最早結合点日程を計算する。
8)最遅結合点日程を計算する。
9)余裕時間を計算する。
10)クリティカル・パスを表示する。
11)必要事項を記入する(目的、作成日、作成場所、作成者など)。

メモ:
クリティカル・パスとは最も重要な事項であり、すべての経路の中で最も日数が長い経路となる。

〇PDPC(Process Decision Program Chart)

プロセス決定計画図であり、目標達成のための実施計画が、想定されるリスクを回避して目標に至るまでのプロセスをフロー化した図である。
PDPCは、事態の進展とともに、各種の結果が想定される問題について、望ましい結果に至るプロセスを決めるために用いられる。
具体的には、問題の最終的な解決までの一連の手段を表し、予想される障害を事前に想定し、適切な対策を講じる場合に用いられる。

作成手順

1)課題を設定する。
2)前提条件及び制約条件を確認する。
3)出発点と達成目標のゴールを決める。
4)出発点からゴールまでの大まかな手段を列挙する。
5)各段階で予想される状態を想定し、その対策を記載する。
6)計画を逐次実施する。
7)作成日、作成場所及び作成者を記入する。

http://kikakurui.com/q/Q9024-2003-01.html
JIS Q9024:2003マネジメントシステムのパフォーマンス改善−継続的改善の手順及び技法の指針

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