H25第1回-伝送交換設備-問2

(1)次の文章は、UPS(無停電電源装置)について述べたものである。
UPSは、一般に、整流装置、蓄電池、【インバータ】などにより構成される。【インバータ】は、一般に、高速スイッチング特性を利用した【PWM】制御回路、フィルタなどにより、出力電圧波形を正弦波に近似させ、その負荷電流に含まれる高調波成分を低減させている。
UPSのシステム構成には、UPSの保守点検期間中においても、商用電力を負荷装置に直接供給するための【バイパス回路】を具備した構成や、UPSの信頼性の向上を図るため、複数のUPSを並列に接続した構成などがある。
ネットワークサーバやパーソナルコンピュータを負荷装置とする定格容量が3〔kVA〕程度の小容量のUPSの蓄電池には、メンテナンスフリーのシール形鉛蓄電池などが用いらている。
この小容量のUPSの蓄電池は、停電時などにおけるネットワークサーバなどの停止処理時間、予備電源装置の起動時間などが考慮されており、一般に、電力供給可能時間は、【10分】程度の容量のものが選定されている。
(2)次の文章は、DNS(Domain Name System)の概要について述べたものである。
(ⅰ)DNSの概要について述べた次の文章のうち、正しいものは、【⑤】である。
①DNSは木構造といわれる階層構造となっている。木構造の頂点は【ルートドメイン】といわれ、その下の複数に分かれた枝の分岐点が【トップレベルドメイン】に相当する。
②DNSを構成するDNSサーバとはドメインを管理しているホストやソフトウェアのことを意味し、DNSサーバは設置された階層配下にあるすべてのドメインに関する情報を有している。
③DNSサーバは、IPアドレスから文字列表記である機器のホスト名へ変換する【逆引き】といわれる機能を有している。
④DNSサーバに登録するデータはリソースレコードといわれ、リソースレコードを登録しておくことにより、DNSサーバは、ホスト名からMACアドレスへ変換する機能を提供することが可能となる。
⑤DNSサーバにIPアドレスを登録する際に使用するリソースレコードタイプは、IPv6アドレスの登録の場合にAAAAが用いられる。
(ⅱ)DNSにおけるクライアントからの問い合わせなどについて述べた次の文章のうち、誤っているものは、【②】である。
①DNSのクライアントからDNSサーバへの問い合わせや、DNSサーバからの応答のプロトコルが完全にIPv6に対応していることは、一般に、IPv6トランスポートといわれる。
②DNSのクライアントから最初に名前の解決要求を受け取るDNSの【最上位】に設置されるDNSサーバは、ルートネームサーバといわれる。
③DNSのクライアントから要求を受け取るDNSサーバは、一般に、問い合わせに関するキャッシュを持っており、この中でホスト名などの名前が解決できれば、最上位の階層のDNSサーバへは問い合わせない。
④DNSのクライアントとして動作するソフトウェアプログラムであるリゾルバは、トランスポートプロトコルとしてUDPを利用し、DNSサーバにホストのIPv4アドレスなどを問い合わせる機能を有する。
(3)次の文章は、移動通信方式に用いられる技術の概要について述べたものである。
(ⅰ)移動通信に用いられる変調方式について述べた次の文章のうち、正しいものは、【④】である。
①携帯電話などに用いられるデジタル変調方式には、フェージングによる振幅変動や雑音の影響の観点から、一般に、【PSKやQAM方式】が用いられる。
②直交振幅変調方式であるQAMのうち16QAMは、16個の信号点を利用することで、1シンボル当たり【4】〔bit〕の情報を伝送可能としている。
③π/4シフトQPSKでは、その位相差を【±45度、±135度】として変調を行っている。
④スペクトル拡散変調方式にはDS(Direct Sequence)方式及びFH(Frequency Hopping)方式があり、DS方式は、IMT-2000、無線LANなどに用いられている。
(ⅱ)移動通信に用いられるマルチブルアクセス方式の特徴について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【④】である。
①複数のユーザが無線道路を共有して通信を行う方法は、多元接続又はマルチブルアクセスといわれ、FDMA、TDMA、CDMAなどの方式がある。
②FDMA方式は、一般に、使用周波数帯域幅を分割して無線伝送路を使用しており、それぞれの無線チャネルごとに一つの無線搬送波を割り当てるFDMA方式は、SCPC方式といわれる。
③TDMA方式は、複信方式と組み合わされる場合、送信と受信で同一の周波数を用いるTDMA/TDD及び別々の周波数を用いるTDMA/FDDの方式に分けられる。
④CDMA方式では、符号分割による多元接続を行っており、拡散符号で1次変調を施した広帯域の信号を、更に2次変調して【広帯域】の信号としている。

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