H25第2回-伝送交換設備及び設備管理-問4

アウトソーシング、信頼性に関する事項、装置の信頼性について

(1)アウトソーシングなどの概要について

組織が部品やユニットの製造などを外部の組織に委託することについて、狭い意味で【外注】という言葉が用いられており、さらに、設計や人事、経理などの業務を外部の組織に委託することも含め、これらを総称して、一般に、アウトソーシングという言葉が用いられている。

JSQC(日本品質管理学会)において、アウトソーシングとは、組織が【外部の資源】を効果的かつ効率的に活用する目的で業務の一部を外部に委託することとされている。アウトソーシングには委託側企業と受託側企業があり、受託側企業は、一般に【アウトソーサ】と言われる。なお、委託側企業が、アウトソースしたプロセスに対する管理を確実にしたとしても、すべての顧客要求事項及び法令・規制要求事項への適合に対する組織の責任が免除されるものではない。

また、JIS Z 8141:生産管理用語において、アウトソーシングとは、企業の経営資源を中核業務に集中させ、【業務効率】を高めるために、部門機能の一部又はすべてを外部の企業に委託する方法とされており、また、【外注】とは、自社(発注者側)の指定する設計・仕様・納期によって、外部の企業に部品加工又は組立を委託する方法とされている。

(2)信頼性に関する事項などについて

(i)故障曲線の特徴などについて述べた次の文章のうち、正しいものは(オ)である。

<(オ)の解答群>

①アイテムの使用期間中における故障率の時間的変化を示したものは、一般に故障曲線または障害曲線と呼ばれ、アイテムの【故障率の傾向を】評価するために有効である。

②故障曲線の代表的なものにバスタブ曲線がある。バスタブ曲線は、修理系アイテムに【限定せず全て】に用いられる。

③バスタブ曲線の初期故障期間における故障率低減のための方策の一つにエージングがある。これは、アイテムを【使用開始前】に動作させることにより欠点を検出・除去し、是正することである。

メモ:
エージング:本稼働前に行うもの

④バスタブ曲線の摩耗故障機関は、アイテムの老朽化による故障が多く発生する期間である。そのため、この期間においては予防保全によるアイテムの取替えが効果的である。

⑤バスタブ曲線の偶発故障期間は、故障率がほぼ一定とみなせる期間であり、アイテムの通常の使用期間に相当するこの期間の長さは、一般に、【耐用寿命】と言われる。

(ⅱ)信頼性の評価指標などについて述べた次の文章のうち、正しいものは(カ)である。

<(カ)の解答群>

①アイテムの信頼度R(t)は時間tの関数であり、【R(0)=1、R(∞)=0】となる性質を持っている。

②修理系のアイテムにおいて、修理時間の期待値は、【MTTR】と言われる。

③アイテムがダウン状態にある期間の期待値は、MDTと言われる。

④修理系のアイテムにおいて、最初の故障が発生するまでの動作時間の期待値は、【MTTF】と言われる。

メモ:
MTTF(Mean Time To Failure)
MDT(Mean Down Time)
MTBF(Mean Time Between Failure)

(3)ある装置の信頼性について

(ⅰ)装置Aの故障率が0.2〔%/時間〕であるとき、固有アベイラビリティが98〔%〕であるためには、MTTRは、【10.20】〔時間〕でなければならない。ただし、答えは四捨五入により小数点第2位までとする。

メモ:
アベイラビリティ(availability):可用性/可動率/稼働率
固有アベイラビリティ:修理時間の面から捉えたアベイラビリティ

故障率λと平均故障間隔(MTBF)は逆数の関係 

平均修復時間:MTTR

MTBF=1/故障率λ=1/0.002=500

固有アベイラビリティ=MTBF/(MTBF+MTTR)

0.98=500/(500+MTTR)

500+MTTR=500/0.98

MTTR=510.20-500=10.20

(ⅱ)装置Aの故障率が0.2〔%/時間〕、装置B及び装置CのMTBFがそれぞれ800〔時間〕及び400〔時間〕であるとき、装置A、B及びCがそれぞれ1台ずつ直列に接続されたシステムのMTBFは【174】〔時間〕である。ただし、答えは四捨五入により整数値とする。

メモ:
装置AのMTBF=1/0.002=500

A、B、Cの最小公倍数は4000〔時間〕となり、それぞれの装置を4000〔時間〕稼働させ、その間の故障件数を求める。

平均故障間隔(MTBF)=総稼働時間/その間の故障件数

故障件数=総稼働時間/平均故障間隔

Aは8件、Bは5件、Cは10件、合計23件

平均故障間隔=4000/23=173.9

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