H26第2回-データ通信-問1

(1)OSのプロセス制御について

主記憶上にプログラムが格納され実行されるとき、プログラムはOSにより管理されプロセスとして扱われる。


複数のプログラムを見かけ上、同時並列的に処理していく形態として【マルチ】プロセスがあり、OSは複数のプロセスを効率よく切り替えて処理するため、様々なプロセス制御機能を持つ。


プロセスには実行(実行中)、実行可能及び実行待ちの三つの状態があり、プロセスの活動中は、この三つの状態間で遷移を繰り返す。例えば、CPUを使う条件は整っているが、他のプロセスがCPUを使用しているため、CPUを割り当てられるのを待っているプロセスは、実行可能な状態にあるといえる。


OSによるプロセスの制御として、実行可能のプロセスの中から一つのプロセスを選び、CPU使用権を与えることは【ディスパッチ】といわれる。また、実行状態のプロセスが長時間にわたり、CPUを占有することを避けるため、一つのプロセスが連続してCPUを使用できる時間を決めておくことは【タイムスライス】といわれる。


複数のプロセスから使用されるファイルやDBなど共用資源の利用において発生し得る問題として【デッドロック】がある。例えば、プロセス1が資源Aを占有中に資源Bを使おうとし、プロセス2が資源Bを占有中に資源Aを使おうとする状態が同時に発生すると、両プロセスの処理が先に進まず止まってしまうような状態に陥る。こうした【デッドロック】を避けるためには、複数のプロセスがある資源を同時には使用できないようにする排他制御を行うなどの方法がある。

(2)半導体メモリの特徴などについて述べた文章のうち、正しいものは、【③】である。

①DRAMは、ダイオードとコンデンサで構成されており、情報の読出しと書き込みはダイオードによって行われる。


②強誘電体をメモリセルに採用した不揮発性メモリは、SRAMといわれ、DRAMと比較して、一般に、高速に動作し低消費電力である。

③DRAMではデータを読み出すとコンデンサの電荷が放出されてしまうことから、データを保持するためには、読出しの都度再書き込みが必要となる。

④ROMの一種であるマスクROMは、製造後においてユーザによる書換えが可能である。

メモ:DRAM(Dynamic Random Access Memory)とはキャパシタ(コンデンサ)に電荷を蓄えることにより情報を記憶する(揮発性メモリ)。電荷は時間と共に失われるため、常に更新(リフレッシュ)し続けなければならない。この「常に動き続ける」という特徴から「ダイナミック」(動的)という名前が付けられている。
DRAMの内部回路は、各一つずつのキャパシタと電界効果トランジスタ(FET)から構成される「メモリセル」の部分と、多数のメモリセルが配列したマトリックスの周囲を取り巻く「周辺回路」から構成される。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Dynamic_Random_Access_Memory
SRAM(Static Random Access Memory)とは定期的なリフレッシュ(記憶保持動作)が不要であるため「スタティック」と呼ばれる。DRAMとは異なり、記憶部にフリップフロップ回路を用いているため、リフレッシュ操作が不要となり消費電力は極めて小さく、高速な情報の出し入れが可能。ただし、DRAMよりも高価。揮発性メモリだが、低消費電力の利点を活かし小さな電池を内蔵または外部に配置することで不揮発性メモリとなる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Static_Random_Access_Memory

(3)パーソナルコンピュータの外部インターフェースについて述べた次の文章のうち、誤っているものは、【③】である。

①PC本体とマウスなどの外部接続機器との間や、携帯端末とヘッドホンなどとの間の無線による通信に採用されている技術として、bluetoothがある。


②外付けハードディスクとPC本体を接続するインターフェースの接続に使用されるSATA(Serial ATA)の拡張版の規格は、eSATAといわれ、内蔵ハードディスクの接続に使用されるSATAとの誤接続を防ぐため、接続ケーブルのコネクタの形状がSATAとは異なるものとなっている。


③USB3.0の転送速度は、USB2.0の転送速度の約10倍である。また、USB2.0とUSB3.0は物理的なインタフェースにおいて完全な互換性があり、USB2.0用のケーブルを使用してUSB3.0の高いパフォーマンスを得ることができる。


④ディスプレイとPC本体を接続するインタフェースであるDVIには、DVIのデジタル信号だけではなくアナログRGB信号も扱えるDVI-I、DVIのデジタル信号のみを扱うDVI-Dなどがある。


メモ:USB3.0 とは転送速度5Gbps(2.0は480Mbps、3.1は10Gbps)で、ピンの数が従来の4本から9本へ増えている。また、符号化方式が2.0のNRZIから8b/10bとPRBSが採用され、通信モードも半二重から全二重(単信2組)となる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%8B%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%B9

(4)HTMLまたはDHTMLについて述べた次の文章のうち、誤っているものは、【③】である。

①Webブラウザに対応するスクリプト言語は複数存在することなどから、HTML内にスクリプトを埋め込む際には、使用するスクリプトのMIMEタイプをscriptタグによって指定する必要がある。


②スタイルシートの設定方法には、HTML文書内に記述するインライン型や埋込型のほか、スタイルシート自体を別の文書で設定しておく読込型がある。

③文書、画像、音声、スタイルなどのWebページ内のコンテンツ部品をオブジェクトして定義し、スクリプトを用いて制御するインタフェースは、CORBAといわれる。

④DHTMLは、CGIと異なりWebブラウザ側でスクリプトが処理されるため、Webサーバ側に負担をかけずに動的なWebページを作ることができる。
メモ:文書、画像、音声、スタイルなどのWebページ内のコンテンツ部品をオブジェクトして定義し、スクリプトを用いて制御するインタフェースは、DOMといわれる。
http://denkitsushin.com/blog-entry-18.html

(5)大量のデータを蓄積しその関連性を分析する多次元データウェアハウスについて述べた次のA~Cの文章は、【ACが正しい】。

A 多次元データモデルとして、事実テーブル(Fact Table)を中心に周辺に次元表(Dimension Table)を配置したモデルは、スタースキーマといわれる。


B 分析の手法として、集計の項目に縦軸を指定して必要な2次元の面で切り出す操作はダイシングといわれ、必要な分析の軸の組合せを変えて分析の面を変える操作はスライシングといわれる。


C 集計データの分析レベルを詳細化することは、ドリルダウンといわれる。例えば、月単位の集計の分析を週単位にする場合などが挙げられる。


メモ:

スライシング:集計の項目に縦軸と横軸を指定して必要な2次元の面で切り出す操作

ダイシング:必要な分析の軸の組合せを変えて分析の面を変える操作

ドリリング:データを詳細に展開したり大枠に戻したりする操作。

大枠から詳細に展開することをドリルダウン、その逆をドリルアップという。

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