電気通信主任技術者の資格を取得しよう

電気通信主任技術者資格者証電気通信主任技術者

電気通信主任技術者とは

電気通信主任技術者は、電気通信ネットワークの工事、維持及び運用の監督責任者です。

電気通信事業者は、その事業用電気通信設備を、総務省令で定める技術基準に適合するよう、自主的に維持するために、電気通信主任技術者を選任し、電気通信設備の工事、維持及び運用の監督にあたらなければなりません。電気通信主任技術者の選任は、原則として、事業用電気通信設備を直接に管理する事業場ごととなります。

ただし、多数の事業場が地理的にも組織的にも近接している場合は、電気通信主任技術者が一定の範囲内の他の事業場の設備もあわせて監督できることになっております。

https://www.shiken.dekyo.or.jp/chief/about_chief.html

要は各工事現場や保守エリアの監督責任者になれるということですね。

工事担任者との違いは工事担任者は実際に工事することを認められる国家資格でその人たちを監督するのが主任技術者になります。

また、電気主任技術者とも混同されがちですが、電気とは主に100V以上の電気を扱い、電気通信とは弱電流を用いた電話回線や光通信を用いたインターネットのことを指します。

試験は秋と春の年2回で第一回が7月、第二回が1月の日曜に開催されていましたが、コロナの影響により令和2年7月の試験は中止となりました。

取得を目指した経緯

元々ICT系資格のドットコムマスターを取得していたのですが、同僚からこれも取れるんじゃない?と教えてもらえたことがきっかけでした。

資格の存在は知っていたものの受験料が2万円弱、4科目合格という敷居の高さで嫌厭していましたが紹介してくれた過去問は一般的なIP知識があれば解ける問題だったのでこの資格に興味を持ちました。

調べてみると、工事担任者2種以上を所持しているとシステムという科目が免除になり、残り3科目についても科目合格が2年有効であることがわかりました。

科目免除は学歴や実務経験歴によっても免除されますので予めご確認ください。

この科目免除の制度が更にやる気を上げることとなりました。

電気通信主任技術者は所内系の「伝送交換」、所外系の「線路」の二つがありますが、どちらかを取得すると「システム」「法規」の2科目免除(システムは工担で既に免除ですが)となります。更に伝送交換を取得すると第一級陸上無線技士通称「一陸技」の4科目の内2科目が免除となり芋づる式に取得が容易になります。

我が社では上記3つの資格に対して取得奨励金が設定されており、全て取得すると20万円以上の副収入が得られることになります。

これはなかなかおいしいのではと思い、実務の線路より先に自信の強みであるIP系問題が多い伝送交換から試験勉強を始めました。

勉強法

さっそく公式サイトに掲載されている2年分の過去問を解いていましたがすぐに心が折れました。難しすぎます。

これは問題の構成に罠があり私のように挫折した人も多いと思います。主任技術者はどの科目も大項目が5問、問1に対して8問程度の小問題が設定されています。

その問1というのが新技術系が多く含まれており、難易度が高めとなっています。

つまり、問1は答えを照らし合わせながらさらっと流し問2へと進んでください。

もちろん出題年度や個人ごとにどこが難しいかは違いますので、難しい問題が出たら一旦答えを見て次へ進むということが大事です。

淡々と進めていくと恐らく初めは8、9割がわからない状態になるかもしれませんが自分もそんな感じですので諦めずに次の過去問を解きましょう。

主任技術者はあまりいい参考書がないと言われています、それは出題範囲が広いため参考書で深く学んでも効果が薄いからです。それよりも過去問をより多く覚えることが合格への近道になります。

体感でいうと過去問からの出題は6,7割程度で6割以上正解で合格となりますので、過去問を全て暗記されている方であれば間違いなく合格できるはずです。もちろん全く同じ問題とは限らず選択肢の中の別の文言について出題されることも多いので答えのみではなく問題を理解することが大事です。

範囲は8年分16回分程度で、恐らく最新のものから解いていくとなんとなく答えがわかるようになり飽きてきたらそこでその科目は大丈夫だと思います。

「交換設備及び設備管理」「データ通信」は理解系、「法規」は丸暗記系なのでまずは理解系、終盤に丸暗記系を学習すると効率がいいです。丸暗記系はすぐ忘れてしまうので。他の資格から言わせると全部丸暗記系と思われるかもしれませんが。

具体的な勉強法

前述で長くなってしまいましたので、見出しを分けさせていいただきました。

具体的に私がどう勉強したかというととにかく過去問をテキストに打ち続け、blogに掲載していきました。

blogに掲載するメリットは2つあります。

・アウトプットすることで理解力が深まる&理解できていない部分も可視化できる

・類似の過去問を検索できる

アウトプットすることで理解力が深まる&理解できていない部分も可視化できる

とにかく覚える範囲の多い過去問を解き続けることはモチベーション低下につながります。文字を打ち込む時間や疲労を考えると効率のいいやり方とは言えませんが、あとで見返したときに自分の実績が可視化できることは手応えを感じられると思います。

また、慣れてくると解説文などを加えられるようになりますが誰かに教えるためにアウトプットすることで考えを整理することができかつそういう悩んだものというものはより記憶に留まります。

類似の問題を検索できる

前述のとおり主任技術者は類似問題が多々出てきます。ですが、解いていくと前回覚えたはずの言葉もすぐに忘れていてあれ?これこの前もやらなかったっけ?それとも似た言葉?と手が止まることもよくあります。

そんなときにキーワード検索することで、以前覚えたのに忘れていたのであれば再度覚える、毎回忘れやすいキーワード、理解できていない問題などと解析ができ、逆に新しい言葉であれば間違いやすい問題、解説文を追加など作業効率につながります。

この方法で学習を続けましたが、問1に対して約1時間かかっており毎日3時間、休日はその倍程度の学習を行っていました。ただ打つという単純作業のためかそれほど苦には感じていませんでした。

順番としては「データ通信」⇒「設備」⇒「法規」で学習しました。

受験してみた結果

受験日を余裕をもって1年後に設定したものの途中で飽きてしまい間が抜けたりしてしまいましたが、受験費が勿体ないので2カ月前から必死で勉強しました。

1回目の試験ではあまり勉強しなかった法規のみが80点以上と高得点だったものの、他2科目は数点足りず不合格となりました。

ここまで苦労して1科目のみ合格ならもうやめようと心が折れましたが、中途半端に一科目が合格していたことで勿体ないので1科目ごとでいいから科目合格し続けて伝送交換だけでも取ることにしました。

結果、2回目ではあまり勉強していなかったデータ通信も合格点に届いており2科目合格となり晴れて資格取得にこぎつけることができました。

その一年後、喉元過ぎれば熱さ忘れるなのか、線路にも挑戦し1科目ごとの合格で2回目で合格することができました。

やはり試験後の手応え、自己採点中など合格が核心に変わる瞬間は他にはないくらいドーパミンが放出され今までの苦労が報われるほどにいいものですね。

ちなみに苦手な方が多い計算問題ですが、実は簡単な計算式をいくつか覚えるだけで解くことができかつ必ず出るものも多いのでおすすめです。60点で合格なのに最低でも6点は得られる計算問題を捨てることは非常に勿体ないので是非何問か解いていただきたいです。自分もこれを初めにわかっていれば恐らくもっと早く合格できていたはずです。

合格後

伝送交換、線路の両方を取得したと伝えると大体皆さん凄いと感心してもらえ取った甲斐があったなと思います。また、実務で携わっていない設備に関しての知識が増え設備全体のイメージがわくようになりました。

勉強してみてわかったことはやはりこの試験は難しくないです、ただ覚える範囲が広いだけです。これから受験する方に少しでもこのブログがお力になれれば幸いです。

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