H25第1回-伝送交換設備-問4

(1)次の文章は、ネットワーク管理における基本機能の概要について述べたものである。
大規模・複雑化したネットワークは、ネットワークの故障が発生するとユーザに与える影響が大きく、また、効率よく安定して運用することが難しい。そのため、ユーザが簡単に、安心してネットワークを利用できるとともに、運用管理者が高い信頼性を保ちながら、容易にネットワークを運用管理できるような機能を有する通信管理ネットワークが必要になる。
TTC標準JT-M3010通信管理ネットワークの原則では、サポートするネットワークの管理機能エリアを分類して、【構成】管理、【パフォーマンス】管理、障害管理、課金管理及び機密管理の五つが規定されている。
【構成】管理では、ネットワーク内の資源の数や各々の属性、それらの関係などを一元的に把握及び管理し、資源を初期状態、稼働状態、保守状態などの状態に設定したり、どの状態にあるかを把握することなどを行う。
【パフォーマンス】管理では、ネットワークの性能に関する統計情報の収集、記録及び解析を行って性能低下の原因や稼働率の低い資源を指摘し、ネットワークの再調整に有効な情報をネットワーク管理者等に提供する。また、スループット、トラヒック、誤り率などの性能を測定して解析することなどで、一般に、ユーザへのサービスレベルを目標値以上に保つことが可能となる。
機密管理では、不正なアクセスからネットワーク内の資源を保護する手段を提供し、パスワードなどユーザ認証に関する情報の登録や変更、資源に対するユーザ毎の【アクセス権限】の登録や変更、暗号化鍵の生成や削除などの管理を行う。
これらのネットワークの管理機能を連携させることにより、ネットワークサービスを提供する事業者は、ユーザとの間において、サービス及び合意されたサービスレベルを文書化した【SLA】の目標値などを設定することができる。
(2)次の文章は、JIS Z 8115:2000ディペンダビリティ(信頼性)用語について述べたものである。
(ⅰ)管理に関する用語について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【①】である。
①【信頼性評価】とは、試験及びフィールドデータを基にしてアイテムの信頼性特性値を推定する行為をいう。
②信頼性改善とは、系統故障の原因除去、その他の故障発生確率の低減及びそれら両方を考慮した活動によって、信頼性を向上させるための明確な意図をもって行うプロセスをいう。
③信頼性・保全性計画書とは、ある契約又はプロジェクトについて、与えられた信頼性・保全性性能に関する要求事項をアイテムが確実に満たすために必要な特定の実施方法、資源及び活動を記載した文書をいう。
④信頼性・保全性性能保証とは、アイテムが与えられた信頼性・保全性性能の要求を満たすという確証を得るのに必要な、適切で計画的、かつ、体系的な活動を実施する行為をいう。
(ⅱ)解析に関する用語について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【②】である。
①故障解析とは、故障メカニズム、故障原因及び故障が引き起こす結果を識別し、解析するために行う、故障したアイテムの論理的、かつ、体系的な調査検討をいう。
②【フォールトの木】とは、下位アイテムのフォールトモード、外部事象又はこれらの組合せのいずれかが、アイテムに与えられたフォールトモードを発生させることを示す論理図をいう。
③ストレス解析とは、アイテムが与えられた条件の下で遭遇する物理的、科学的又はその他のストレスの種類とそれによる影響を決める行為をいう。
④フォールト位置特定とは、ある保全実施単位のもとで、フォールトを発生している単数又は複数の下位アイテムの種類とその部位を特定する活動をいう。
(3)計算のため省略

コメント