H24第2回-伝送交換設備-問1

(1)次の文章は、インターネット上のサーバを経由する電子メールの概要について述べたものである。
電子メールシステムは、電子メールアドレスに従ってメール本文などのデータを転送する機能を有し、基本的な電子メールシステムは、一般に、【MUA】、MTAなど複数のエージェントによって構成される。【MUA】はユーザがメールの読み書きに利用するアプリケーションソフトウェアに対応する。一方、MTAは個々のメールサーバのメールソフトウェアに対応し、【MUA】や他のMTAから受信したメールを宛先ドメインのMTAに転送する役割を果たしている。
メールをやり取りするためのプロトコルは複数あり、インターネット内部のMTA間では、一般に、【SMTP】といわれるプロトコルが利用されている。また、【MUA】がメールボックスからメールを取り出すときは、【POP】、IMAPなどのプロトコルが利用されている。
メール本体はヘッダ領域及びメール本文によって構成される。ヘッダ領域はメール本体の先頭からテキスト文字列のヘッダ行が連続する領域であり、ヘッダ行に続く【改行だけの行】が、メール本文との区切りとされている。
(2)次の文章は、10ギガビットイーサネットの概要について述べたものである。
(ⅰ)10ギガビットイーサネットのインタフェース種別などについて述べた次の文章のうち、正しいものは、【③】である。
①10ギガビットイーサネットの物理層は、大別するとLAN PHYとWAN PHYに分けられ、一般に、LAN PHYは【短距離接続用】、WAN PHYは【長距離接続用】の規格とされている。
②LAN PHYは、10GBASE-Xファミリー及び10GBASE-T【及び10GBASE-R】に、WAN PHYは、10GBASEーWファミリー【のみに】、それぞれ分類することができる。
③10GBASE-LX4は、10GBASE-Xファミリーのうち一つの方式である。10GBASE-LX4の光インタフェースには波長分割多重技術が用いられており、マルチモード及びシングルモードのいずれの光ファイバも使用することができる。
④【10GBASEーWファミリー】では、SONET/SDHを用いた伝送システムとの接続性が考慮されている。そのため、実行ビットレートは、【10GBASE-Rファミリー】の各方式と比較して数〔%〕低くなっている。
⑤10ギガビットイーサネットでは、使用する光インタフェースの仕様(PMDタイプ)が3種類規定されている。このうち、10GBASE-Eといわれる光インタフェースは、【1.5】μm帯の波長を使用するためシングルモード光ファイバ専用となっている。
(ⅱ)10ギガビットイーサネットで採用されている符号化方式について述べた次の文章のうち、誤っているものは、【⑤】である。
①10GBASE-Xファミリーでは、8B/10B符号化方式が採用されている。
②10ギガビットイーサネットで採用されている8B/10B符号化方式は、ファイバチャネル規格及び1000BASE-Xでも採用されている。
③10GBASE-Rファミリーでは、64B/66B符号化方式が採用されている。
④64B/66B符号化方式におけるヘッダ情報は、01と10があり、送信するデータの内容によって使い分けが行われている。
⑤64B/66B符号化方式では、【データをスクランブルし、ヘッダ情報を付加する】。
(3)次の文章は、SIPの概要について述べたものである。
(ⅰ)SIPの基本的な構成要素などについて述べた次の文章のうち、誤っているものは、【④】である。
①SIPは、クライアントがリクエストメッセージをサーバに送り、サーバがそれに応答するレスポンスメッセージをクライアントに送ることを繰り返す、リクエスト・レスポンスモデルに基づいている。
②SIPを解釈して処理する各種端末のソフトウェアまたはハードウェアはUA(UserAgent)といわれ、IP電話機、VoIPゲートウェイなどでSIPに対応した端末は、一般に、UAに相当する。
③UAは、リクエストを生成するクライアントとしての役割を果たすときにはUACといわれ、レスポンスを生成するサーバとしての役割を果たすときにはUASといわれる。
UACはUAクライアント、UASはUAサーバ
④SIPサーバは、UAに様々なサービスを提供しており、構成要素別にプロキシサーバ、【ロケーションサーバ】、リダイレクトサーバに分けることができる。
(ⅱ)IETFのRFC3261で定義されているSIPメッセージについて述べた次の文章のうち、正しいものは、【④】である。
①クライアントからサーバに要求するリクエストメッセージのメソッドには、INVITE、ACK、BYEなどがある。【NACKはない】
②クライアントとSIPサーバとの間のセッションを確立するリクエストメッセージのメソッドには【INVITE】が用いられ、SIPサーバと接続先端末との間のセッションを確立するメソッドにはINVITEが用いられる。
③INVITEの最終レスポンスの受信を確認するリクエストメッセージのメソッドにはACKが用いられ、通信相手の能力を問い合わせるメソッドには【OPTIONS】が用いられる。
④レスポンスメッセージによる通信側からの成功の応答には、発信要求および切断要求のいずれに対しても、一般に、ステータスコードとして200が用いられる。

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